いづみ川の景色

仕事帰り、奈良線で木津川を渡る時の景色が好きです。特急みたいな座席の西側にゆったりと陣取り、美しい夕陽を眺めます。季節によっては飲みこまれそうな夕焼けに空が染まります。毎日こうやって日が暮れるんだな…と思っているうちに、嫌な出来事も薄れていきます。

東側を見るといつも思い浮かぶのが、大阪城の石垣用の石を笠置辺りから切り出して木津川を船で運んだ様子。天下のお城の一部になるべく出発したけど重過ぎて沈んだ残念石がどこかにあるらしいです。

昔いづみ川と呼ばれ、百人一首にも詠われた木津川を渡りしばらく夕陽を見ていると、旧山城町の田んぼの中に南山城大水害の碑が立っているのが見えます。

昭和28年の大水害。就職して間もない頃、「知事を筆頭にたくさんの職員が手弁当で救援に行った」と上司から聞いたことがあります。昔の役所は今よりもっと心の通った場所だったのかも知れないな…